セミナーを動画で配信するには?企画から配信までの流れを解説
コロナ禍でリモートワークの導入が加速し、会議や授業、そしてセミナーもオンラインで動画配信される機会が飛躍的に増えました。
しかし初心者は、いざセミナーを動画で配信しようと思っても、何からどう始めていいか、なかなかイメージが湧かないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、セミナーを企画し動画配信するまでの流れと、オンラインセミナーのメリット、そしてセミナー動画作成の注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください!

目次
セミナーを動画で配信する流れ
まず、セミナーを動画で配信するための8つのステップを解説します。
ステップ1.セミナーの内容を企画する
企画はすでに大まかに決まっていると思いますが、動画で配信するにあたって、改めて言語化しておくと後工程がスムーズです。
具体的には、
- 目的(セミナー実施によって目指すゴール)
- ターゲット(誰に見てもらいたいか)
のまず2つを言語化しましょう。
この2つが明確になると、企画の詳細部分も自ずと決まってきます。
たとえば、
目的:
資産運用セミナーを通して新規顧客を獲得したい
ターゲット:
資産運用に関心を持つ30代〜60代
といったかたちで言語化してみてください。
そのうえで、ターゲット層が一番見やすい日時・長さ・見せ方は何かを検討しましょう。
目的とターゲットから企画を検討していくことで、より適切な動画の内容と配信方法を導き出せます。
逆に、目的とターゲットが曖昧なまま動画の体裁を決めてしまうと、それがターゲット層にそぐわず、結局ほとんど見てもらえないという失敗につながりかねません。
ステップ2.配信の種類を決める
セミナーの動画配信には、大きく以下3つの種類があります。
- オンデマンド配信
事前に収録しておいたセミナーの動画を配信する方法です。
あらかじめ動画を編集できるため、補足説明や視覚効果を足して動画のクオリティーを上げることができます。
また、1回のセミナーに限らず、何度でも使いまわせる持続的なコンテンツにもなり得ます。 - 完全ライブ配信
セミナーの様子をリアルタイムで撮影し動画配信する方法です。
ライブならではの臨場感が出せるほか、チャット機能で参加者の反応を知りながら内容を臨機応変に調整することができます。 - 擬似ライブ配信
オンデマンド配信と完全ライブ配信の中間にあたる方法が擬似ライブ配信です。
セミナーの動画自体は事前に収録したものを配信し、チャットなど参加者とのコミュニケーション部分だけリアルタイムで行います。
それぞれの特徴を踏まえて、自分のセミナーに最も適切と思われる方法を選びましょう。
その際、以下のメリット・デメリット表を参考にしてみてください。
メリット | デメリット | |
オンデマンド配信 |
・作成動画のクオリティーを上げられる |
・動画作成の手間が大きい ・参加者の反応にあわせて調整ができない ・臨場感が薄い |
完全ライブ配信 | ・臨場感が出て聴衆のモチベーションが上がる ・参加者の反応にあわせて内容を臨機応変に調整できる |
・一発勝負でやり直しがきかない ・動画そのものに視覚的なインパクトが出しづらい ・参加者の参加日時が限定される |
擬似ライブ配信 | 完全ライブ配信のリスクなく参加者とリアルタイムのコミュニケーションがとれる | 完全ライブ配信ほどの臨機応変さは担保できない |
ステップ3.配信の環境を決める
セミナーの動画を配信するにあたって、以下2種類のうちどちらかの環境を選ぶ必要があります。
- オープン環境
特に制限を設けず、不特定多数の人が自由に見れるタイプの配信環境です。
できるだけたくさんの人に参加してもらいたい場合に向いています。 - クローズド環境
参加に条件を設定し、パスワードなどを配布して特定の人だけが見れるタイプの配信環境です。
有料セミナーや、一般公開したくない情報を扱う場合、限定感を演出したい場合などに向いています。
自分のセミナーにより適していると思われる方を選びましょう。
ステップ4.配信のツールを決める
オンデマンド配信ではセミナーの動画データを参加者に共有するだけでも実行可能ですが、ライブ配信や擬似ライブ配信の場合は専用ツールの利用が必須です。
初心者に特におすすめなのは、以下の6ツールです。
チャット機能の有無、定員数、費用などを確認した上で、自分のセミナーに最適と思われるものを選びましょう。
こちらのページに各ツールの特徴をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
webセミナーを開催する方法は?おすすめの配信ツールも紹介
ステップ5.セミナーを撮影する
セミナーの内容によって異なりますが、動画撮影にあたって最低限必要なものはおおむね以下の通りです。
<機材>
・ビデオカメラ
・三脚
・マイク
<人員>
・スピーカー
・カメラマン
カメラを2つ以上にしてカットの種類を増やしたり、プロのカメラマンに依頼したりすることで、動画のクオリティーがより向上します。
特にオンデマンド配信または擬似ライブ配信の場合は、撮影後に動画を編集できるため、セミナーを一発撮りする必要がありません。
あらかじめ台本とカット割を作成し、そこにあわせて何度も区切りながら撮影するといったことも可能です。
撮影にかかる手間とコストが大きくなりますが、その分動画のクオリティーが上がり、参加者の満足度も向上します。
一方、完全ライブ配信の場合は、撮影と同時に配信も行う必要があるため、たとえば複数のアングルを切り替えるなど、見映えの凝ったの動画をつくることはやや難しくなります。
編集ができない分、セミナーでは説明ボードなど視覚要素を使って、参加者にわかりやすいよう工夫することが大切です。
完全ライブでもできるだけ凝った動画を配信したい場合は、セミナーのライブ配信に実績のあるプロの製作会社に依頼するのがおすすめです。
サムシングファンのライブ配信サービス詳細はこちら
ステップ6.撮影動画を編集する
撮影動画をそのまま配信することも可能ですが、オンデマンド配信や擬似ライブ配信の場合は、編集によってよりわかりやすく、インパクトのある動画に仕上げることができます。
具体的には、以下の点を工夫して編集するのがおすすめです。
- 字幕をつけて内容を参加者により印象付ける
- 不要な部分をこまめにカットし、テンポ感を出して参加者を飽きさせない
- できるだけ雑音をカットし、一方で適宜効果音をつけて聞きやすくする
- 説明がわかりにくい部分には補足説明や画像を追加する
動画作成のコツはこちらの記事でも詳しく解説しています。
【動画セミナー】制作の3つのポイントとは?制作会社も合わせて紹介!
ステップ7.撮影動画を配信する
配信にあたっては、ツールの手順をあらかじめしっかりと確認し、当日アクシデントが起こるリスクをできるだけ減らしておきましょう。
また、可能であれば事前に配信テストを行っておくことをおすすめします。
完全ライブ配信や擬似ライブ配信の場合は、チャット機能もシミュレーションしておくとよいでしょう。
実際にやってみることで、必要な準備や足りていない人員などが明確になり、当日の配信がよりスムーズに行えます。
ステップ8.効果測定をする
配信終了をもってプロジェクト終了としてしまってもよいのですが、最後にセミナーの動画配信でどんな効果が得られたかをしっかり分析しておくと、次回のセミナー企画や今後のマーケティング戦略に活かすことができます。
たとえば、実際のセミナーでも行う参加者アンケートは、動画配信でも実施することができます。
配信ツールのなかには、LiveOnなどアンケート機能があらかじめ備わっているものや、CRMツールと連携して詳細にユーザー分析ができるものもあります。
また、オンラインセミナーの場合、実際のセミナーではなかなか見えないようなデータも得られます。
たとえば、セミナーのどの時間帯に最もアクセスが集まったか、どの項目で最もチャットが盛り上がったかなども、今後の施策を検討するうえでの貴重な情報になります。
セミナー動画を配信するメリット
セミナーを動画で配信する8つのステップを解説してきました。
ここで改めて、セミナーを動画で配信することのメリットをまとめておきましょう。
メリット1:コストを大幅に削減できる
セミナーの規模にもよりますが、実際のセミナーの費用と比較すると、会場レンタルや参加者への物理的な接待がなくなる分、動画配信の方がコストを大幅に削減できます。
メリット2:場所・天候・交通事情の影響を受けない
どこからでも参加できるため、日本全国、さらには世界各国から集客が可能です。
天候や交通事情にも影響されず、交通費も発生しないため、参加のハードルも格段に下がります。
オンデマンド配信の場合は、日時の制約も外すことができます。
メリット3:双方向コミュニケーションが活性化する
実際のセミナーの場合、大人数を相手にするほどコミュニケーションが「スピーカー→参加者」の一方通行になりがちですが、オンラインだと比較的質問が投げかけやすく、チャット機能でより密で活発なコミュニケーションが取れるようになります。
メリット4:実施のハードルが低い
動画作成の手間はかかりますが、会場手配や資料の増産、参加者への接待など物理的な準備が必要なくなる分、実施のハードルが格段に下がります。
セミナー動画を作成する際の注意点
最も大切なのは、参加者にとってわかりやすく印象に残りやすい動画にすることです。
まず大前提として、画面は見やすく、音声は聞き取りやすくなければなりません。
文字が小さすぎないか、要素がごちゃごちゃして見にくくなっていないか、音が小さすぎたりうるさかったりしないかなどを注意しましょう。
また、よくある失敗として、伝えたいことを詰め込みすぎたあまり、テンポが悪く頭に入りにくい動画に仕上がってしまうことが挙げられます。
実際のセミナーと違い、動画の場合は、少し流れが悪くなるだけでも参加者の集中が途切れて離脱につながってしまいます。
常に参加者側の気持ちになり、ときには内容を多少削ってでも、参加者にとってテンポが良く集中が続きやすい動画をつくるよう心がけてください。
他のセミナー動画の事例を見て、見やすいと感じるものを参考にしてみるのもおすすめです。
こちらの記事も参考にどうぞ!
【動画セミナー】制作の3つのポイントとは?制作会社も合わせて紹介!
まとめ:流れを把握してセミナーの動画配信を成功させよう!
配信ツールもどんどん充実し、今やセミナーの動画配信は誰でも簡単に実施できるようになりました。
しかし、全体の流れを把握しないままなんとなく始めてしまうと、肝心のターゲット層に届かなかったり、効果がいまいち実感できないまま終わってしまうこともあり得ます。
全体像をしっかり掴み、十分に準備をしたうえで、初めてのセミナー動画配信を成功に導いてください!