NotebookLMは、Googleが提供するAIノート作成ツールです。
情報の整理や検索を効率化する便利な機能を備えており、近年注目を集めています。
しかし、機密情報を扱う際には、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。
本記事では、NotebookLMの情報漏洩リスクとセキュリティ対策について解説します。
目次
NotebookLMとは?
NotebookLMは、ユーザーがアップロードした文書をもとにAIが質問に回答するツールです。
特に、研究資料や業務文書の管理に適しており、情報の検索・整理を効率化できます。
しかし、利便性の裏には情報漏洩のリスクが潜んでいるため、適切な対策が求められます。
公式サイト:Google NotebookLM
NotebookLM利用時に起こり得る情報漏洩のリスク
NotebookLMを利用する際に起こり得る情報漏洩のリスクは、以下のとおりです。
- 不正アクセス
- データ暗号化の脆弱性
- 内部不正
- プロンプトインジェクト攻撃
それぞれについて解説します。
不正アクセス
NotebookLMはクラウドベースのツールであるため、アカウントのセキュリティが不十分だと、第三者による不正アクセスのリスクが高まります。
特に、以下のような要因が不正アクセスを招く可能性があります。
- パスワードの脆弱性:短く単純なパスワードは、ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)によって容易に突破される可能性がある
- フィッシング攻撃:悪意のある第三者が偽のログインページを作成し、ユーザーの認証情報を盗み取る
- セッションハイジャック:ログイン中のセッション情報が盗まれることで、攻撃者がユーザーになりすましてアクセスする
- 共有設定のミス:誤って機密情報を含むノートを公開設定にしてしまうと、誰でもアクセスできる状態になる
データ暗号化の脆弱性
NotebookLMはクラウド上でデータを管理するため、暗号化の強度が不十分だと保存された情報が外部に漏洩する可能性があります。
暗号化に関するリスクには、以下のようなものが挙げられます。
- 暗号化技術の古さ:最新の暗号化技術を使用していない場合、攻撃者による解読が容易になる
- 暗号鍵の管理ミス:暗号化されたデータの復号に必要な鍵が適切に管理されていないと、第三者に悪用される可能性がある
- 通信経路の脆弱性:データの送受信時に暗号化が適用されていない場合、通信を傍受されるリスクがある
- クラウドストレージの脆弱性:NotebookLMのデータが保存されるクラウド環境にセキュリティの欠陥があると、外部からの侵入が可能になる
内部不正
企業やチームでNotebookLMを利用する場合、内部のユーザーによる不正な情報流出のリスクがあります。
内部不正は外部からの攻撃よりも検出が難しく、深刻な被害をもたらすことがあります。
- 権限の乱用:アクセス権限を持つ従業員が意図的に機密情報を外部に持ち出すケースがある
- 誤操作による漏洩:意図的ではなくても、誤った共有設定や操作ミスによって情報が流出する可能性がある
- 退職者による情報持ち出し:退職した従業員がNotebookLMに保存されたデータを持ち出し、競合他社に提供するリスクがある
- 内部の脆弱なセキュリティ意識:従業員がセキュリティ対策を軽視し、不適切な情報管理を行うことで意図せず情報が漏洩する
プロンプトインジェクション攻撃
NotebookLMは、プロンプトインジェクション攻撃に対して脆弱であることが指摘されています。
プロンプトインジェクションとは、悪意のあるユーザーが特定の入力を行うことで、AIの動作を意図的に操作し、機密情報を漏洩させる攻撃手法です。
つまり、プロンプトインジェクション攻撃を受けると不正な操作が行われたり、機密情報が盗まれたりします。
NotebookLMにおすすめのセキュリティ対策
上記のリスクを軽減するには、以下のセキュリティ対策を講じるのがおすすめです。
- 基本的なセキュリティ対策を行う
- データの暗号化を行う
- アクセス権限を管理する
- Workspaceアカウントを活用する
- 機密情報はアップロードしない
- フィードバック提供を回避する
- セキュリティ監査を定期的に行う
それぞれについて解説します。
基本的なセキュリティ対策を行う
情報漏洩のリスクを下げるためには、基本的なセキュリティ対策は必ず実施しましょう。
例えば、パスワードはアカウントの情報を守る重要な要素です。
NotebookLMを安全に利用するためには、以下のポイントを押さえたパスワードを設定してください。
- 長さと複雑性:最低でも12文字以上の長さを確保し、英数字・記号を組み合わせる
- ユニークなパスワード:ほかのサービスと同じパスワードを使わない
- 定期的な変更:パスワードを定期的に更新し、古いものを使い続けない
また、二要素認証を設定すると、パスワードが漏洩しても不正アクセスを防ぐことができます。
データの暗号化を行う
NotebookLMに保存するデータは、暗号化を施すと外部からのアクセスを防ぐことができます。
特に、エンドツーエンド暗号化を適用することで、データの送受信時に第三者による傍受を防ぐことが可能です。
また、暗号鍵の管理も重要であり、適切に保管して外部に漏れないようにすることで、データの安全性を確保できます。
アクセス権限を管理する
NotebookLMの共有機能を利用する際は、アクセス権限を適切に設定することが重要です。
まず、最小権限の原則を適用し、必要最低限の権限のみを付与することで不要なアクセスを制限できます。
さらに、定期的に権限をレビューし、不要なユーザーを削除することで情報漏洩のリスクを低減することが可能です。
また、アクセス履歴を監視し、不審な動作がないか確認すると異常なアクセスを早期に検出でき、必要な対策を講じられます。
Workspaceアカウントを活用する
Google Workspaceアカウントを利用すると、一般アカウントよりも強固なセキュリティ対策が適用されます。
特に、Workspaceアカウントでは、Googleのレビュアーによるデータ確認が行われないため、機密情報の保護が強化されます。
また、企業向けのセキュリティ機能が充実しており、管理者がアクセス権限を細かく設定できるため、組織内での情報管理がより安全になるでしょう。
機密情報はアップロードしない
NotebookLMに機密情報をアップロードすると、意図せず情報漏洩のリスクが高まります。
特に、顧客の個人情報や財務データ、未公開の戦略資料などは、アップロードを避けるべきです。
これらの情報が外部に漏洩すると、企業の競争力や信頼性に影響を及ぼす可能性があるため、慎重な管理が求められます。
フィードバック提供を回避する
NotebookLMのフィードバック機能をオフにすると、人間のレビュアーによる確認を防ぎ、情報漏洩のリスクを低減できます。
まず、設定画面からフィードバック提供をオフにすることで、AIの動作に関するデータが外部に送信されるのを防げます。
また、機密情報を含むクエリを避けると、AIが誤って機密情報を出力するリスクを減らすことが可能です。
セキュリティ監査を定期的に行う
NotebookLMの使用状況や設定を定期的に監査し、潜在的な脆弱性を特定・修正できます。
まず、アクセス履歴を定期的にチェックし、不審な動作がないか確認することが重要です。
また、脆弱性診断ツールを活用して問題を特定し、適切な対策を講じればセキュリティを強化できます。
さらに、企業で利用する場合は、社内のセキュリティポリシーを定期的に見直し、最新の脅威に対応できるように更新することが求められます。
まとめ
NotebookLMを安全に利用するためには、強力なパスワードの設定や二要素認証の導入が欠かせません。
データの暗号化を強化し、アクセス権限を適切に管理することで不正アクセスのリスクを減らせます。
また、Workspaceアカウントを活用し、機密情報のアップロードを避ければ情報漏洩を防ぐことが可能です。
今回紹介したセキュリティ対策を行い、安全にNotebookLMを活用してください。