事業者への補助金は国が主導しているものから地方自治体まで、さまざまな形態がありますが、地域の商工会議所が主導している「小規模事業者持続化補助金」はご存じでしょうか?
地道に事業を継続していく意思のある小規模な事業所への補助金で、広告費用も対象です。
ブランディングや販路拡大のための動画制作にも活用できます。
この記事では、小規模事業者持続化補助金の概要と、有効な使い方について解説します。
広報活動に動画を取り入れたいと考えている方や、スタートアップ企業には最適な補助金なので、ぜひチェックしてみてください。

動画制作にも活用できる小規模事業者持続化補助金とはどんな助成金?
小規模事業者持続化補助金とは、全国商工会連合会や日本商工会議所が、小規模事業者を支援するために行っている助成金制度です。
最大で100万円までの補助が受けられ、補助金を広報費として使って、動画制作を企画できます。
それでは、小規模事業者持続化補助金について早速概要から紹介していきます。
【参考】日本商工会議所「小規模事業者持続化補助金<一般型>について」
小規模事業者持続化補助金の対象者
小規模事業者持続化補助金の対象となるのは以下の事業者・個人事業主です。
地域の商工会議所管轄エリアで事業を行っている会社のうち「小規模事業者」に該当する会社が前提となっています。
対象になる事業者と、対象にならない主な事業者を表にまとめました。
対象となる事業者 |
対象とならない主な事業者 |
会社および会社に準ずる営利法人 (株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合) 個人事業主 NPO法人(要件あり) |
医師、歯科医師、助産師 宗教法人 学校法人 申請時点で開業していない創業予定者 |
小規模事業者の定義を以下の表にまとめました。
業種によって雇用従業員の数が異なります。
わかりやすくお伝えすると、21人以上の従業員がいると対象外です。
業種 |
人数 |
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) |
常時雇用の従業員の数 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 |
常時雇用の従業員の数 20人以下 |
製造業その他 |
常時雇用の従業員の数 20人以下 |
補助金の対象となる経費、活動内容
対象となる活動内容は
- 地道な販路開拓のための施策
- 生産性向上のための施策
この2点です。それぞれの項目を具体的に見ていきましょう。
対象①地道な販路開拓のための施策
主に広報活動を中心として、それに付随する内容が補助金の対象です。
具体的な広報費は以下の通りです。
- 新たな販促用チラシの作成、送付
- 新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告)
- 新たな販促品の調達、配布
付随する業務として以下のようなものがあります。
- 国内外の展示会、見本市への出展、商談会への参加
- 新たな販促用チラシのポスティング
- ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言
対象②業務効率化のための施策
生産性を上げるための施策も補助金の対象です。
- 業務改善の専門家からの指導、助言による長時間労働の削減
- 新たに経理・会計ソフトウェアを購入し、決算業務を効率化する
- 新たに労務管理システムのソフトウェアを購入し、人事・給与管理業務を効率化する
具体的にはコンサル費用や、ITツールを活用した生産性向上の施策といった内容です。
新しい機器の導入も対象なので、積極的に活用しましょう。
対象③経費
勘定科目が公式サイトにて公開されていますが、補助対象となる経費の一例は以下の通りです。
- 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
- 交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
- 証拠資料等によって支払金額が確認できる経費
広報費、生産性向上に使う費用で領収書など証憑が明らかにできるものとなっています。
対象経費となる領収書はなくさずにに保管しておきましょう。
小規模事業者持続化補助金の補助率
気になる助成金の補助率は以下の通りです。
- 補助率 対象となる経費の2/3
- 上限 50万円(特例事業者除く)/100万円(特例事業者のみ)
基本的な概要は以上の通りですが、補助金の詳細や特例事業者については以下のPDFにてご確認ください。
【参考】令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>【公募要領】
補助金を活用した事例
補助金を活用した事例が紹介されています。
6つの事業者が成果を発表しており、以下サイトからの抜粋となります。
事業所名 | 小規模事業者持続化補助金を活用した主な成果 |
早川木工所 | 地域の木材を使ったオリジナル商品を開発。 経営指導員が継続的にアドバイスを続け、商品納入先を増やしている。 |
有限会社丸和 | 飲食店と提携し、弁当のプラットフォームを形成(「シェフズ弁当」事業)。 「小規模事業者持続化補助金」を活用して、ネット受注システムを導入。 |
ラ・エッフェル | 髪や頭皮に悩みを持つ女性向けに、しけ絹(シルク)を使用し、「天然素材」にこだわったオリジナル帽子を開発。 |
株式会社竹屋旅館 | 外国人観光客獲得のため、情報ピクトグラム対応の案内板設置、 観光音声ガイドサービスの利用促進を実施。 |
手づくりハムぱぁく | 自社含め、近隣の食品製造会社・飲食店6社でコンソーシアムを組み、「小規模事業者持続化補助金」を活用。 各店をつなぐ散策ルートを構築し、観光客が自然と立ち寄る仕掛けを作っていった。 |
有限会社久保田稔製陶所 | 米国の展示会(Coffeefest)に出展。 3日間の会期中に約200件の引き合いに成功。コーヒーメーカー主流の米国市場でハンドドリップ関連商品として独自の立ち位置を獲得しつつある。 |
新しい商品開発や、事業展開、それに伴う販路開拓に助成金が大いに役立っているようです。
綿密な計画の元に施策が進められており、しっかりと成果を積み上げています。
【参考】小規模事業者持続化補助金「成果発表会2018」レポート
補助金を動画制作に活用してみよう
記事の後半では、補助金の具体的な活用方法として「動画制作」を解説していきます。
インターネット全盛の昨今では、動画を使ったマーケティングや販促はビジネスに欠かせないものとなっています。
動画マーケティングのメリットや、動画制作を依頼するときに気をつけるポイント何でしょうか?
順番に見ていきましょう。
動画マーケティングのメリット
「動画マーケティングは、具体的にどんなメリットがあるの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。
動画はテキストにはない強みがあります。
- より深く情報を伝達できる
- 商品や会社をより深く理解してもらうことで、CV率アップにつながる
- テキストとあせて検索に表示されやすくなる
イメージ画像はテキストの情報をサポートするのに大いに役立ちますが、動画はさらにイメージを視聴者へ伝えられます。
こちらの意図を顧客が正確に汲み取ることで、自然とCV率のアップが見込めるでしょう。
動画があるとテキストの検索とあせて順位が上位に表示される傾向があり、動画マーケティングはSEOにも効果的です。
動画作成を依頼するときの大事な3つのポイント
動画作成を依頼するときに大事なポイントを3つ紹介します。
- 求めるイメージの明確化
- 求めるイメージのジャンルに強みを持った会社の選定
- 料金形態が明確な会社を選ぶ
この大事な3点を明確にした上で、Web制作会社の選定にうつりましょう。
ポイント①求めるイメージの明確化
訴求したい人を明確にするためペルソナ設定を行います。どのような年代、性別、趣味の人に訴求するのかを鮮明にしておくと訴求ポイントがブレません。
感じてほしいこと、興味を持ってほしいことまで具体的にしておくと、自然と動画のイメージや方向性が定まってくるでしょう。
ポイント②求めるイメージのジャンルに強みを持った会社の選定
具体的なイメージが定まったらWeb制作会社選びです。
会社を選ぶときは実績で選ぶことも大事ですが、その会社が持つ強みで選ぶことも忘れてはいけません。
動画にはジャンルやタイプがたくさんあるので、得意とする強みをもった会社を選んだほうが満足いく動画ができる可能性が高いです。
イメージする動画にマッチした強みを持つ会社を選定しましょう。
ポイント③料金提示が明確
「予算内でこれくらいのことができる」「この動画を制作するのにこのくらいの費用がかかる」と明確に教えてくれるWeb制作会社を探しましょう。
スタンダードパックのようなコースの場合はさほど心配ありません。
ただ、オーダーメイドな動画制作を依頼する場合、明確な見積もりを出してくれる会社でないと安心してオーダーできませんよね。
依頼前に伝えておきたい項目6点
以下の項目を依頼前に伝えておけばスムーズに動画制作を進められますし、イメージから大きく外れることもないでしょう。
項目①目的
ブランディング、認知、販促など目的によって動画の構成が大きく変わってきます。
「動画で何がしたいのか」を明確にしておきましょう。
項目②予算
Web制作会社に予算内でできることを提案してもらうために、あらかじめ動画にかけられる予算を明確にしておきましょう。
予算が明確でないと、動画の設計がままならなくなってしまいます。
項目③納期
納期の希望がない場合でも、期日はしっかりと区切りましょう。
基本的に仕事は締め切りがあってこそ、しっかりと完遂できるものです。
納期の区切りがない依頼はお互いのためにならないのでやめましょう。
項目④動画の長さ
短編映画のような長いストーリーにするのか、インパクト重視の短めなPVにするのか明確にしておきましょう。
動画の長さはイメージの設定の一部で構成上とても大事な項目です。
項目⑤動画媒体
「動画プラットフォーム」といえばYouTubeが有名です。
しかし、そのほかにも特定のジャンルに強い、いろいろな動画プラットフォームが存在します。
各ジャンルに特化した動画プラットフォームを見るユーザーのほうが、趣味や目的がはっきりとしているので、訴求しやすい傾向にあります。
戦略にあわせて事前にしっかりと選定しておきましょう。
項目⑥ターゲット、ペルソナ設定
年代、性別、趣味ごとに細かく分け、どの層に訴求したいのか事前に明らかにしておきましょう。
ターゲットがより明確であればブレないピンポイント訴求が可能です。
動画全体の完成度に関わることなので、イメージ設定の一つとして最初に行いたい項目です。
まとめ 動画制作に利用できる補助金の概要と活用術
小規模事業者持続化補助金は、これから事業を拡大したいスタートアップ企業には最適な補助金です。
最大で100万円まで補助を受けられます。
販路拡大、商品開発、生産性向上のための経費として活用したいところです。
記事後半では、活用例として動画制作依頼について解説しました。
依頼するときのポイントは、依頼先の会社へ重要項目6点を明確に伝えることです。
ポイントを明確に伝えることができれば、イメージ通りの動画に仕上がることでしょう。
小規模事業者持続化補助金を活用して動画マーケティングを行い、さらなる販路拡大を狙っていきましょう。
補助金の活用方法として、動画マーケティングツール「DOOONUT」もおすすめです。
DOOONUTはサムシングファンが提供する、動画マーケティングに必要な機能が備わったオールインワンなツールです。
ポータルサイトや動画の作成、配信、分析機能など、動画マーケティングに必要な機能がくまなく搭載されており、これ一つで動画マーケティングを完結できます。
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