「ウェビナー」とは、Webセミナーを略した造語のことです。
昨今インターネット環境が急速に整備され、新型コロナウイルスの流行も相まって、従来は対面で開催していたセミナーがオンライン開催へ移行しています。
この記事では、これからウェビナーを始める方に向けておすすめのウェビナーツールを紹介していきます。
選び方のポイントや、それぞれのウェビナーツールの特徴もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
会場型セミナーと比較したウェビナーの特徴
会場型のセミナーと、オンライン型のウェビナーを比較するとウェビナーには3つのメリットがあります。
開催コストを抑えられる
会場型セミナーの場合、主催者は事前に会場を手配したり、配布資料を準備したりする必要があります。
駅から近くて大きな会場だと、半日借りるだけで数万円〜数十万円かかることも。
しかし、オンライン型のウェビナーであれば会場を用意する必要がありません。
主催者も参加者も、自宅や自社オフィスで開催・参加できるからです。
遠方の参加者が、お金と時間を使って会場へ足を運ぶ必要もありません。
資料も、電子データで参加者に送付すれば済みます。
ウェビナーは、あらゆる開催コストをカットすることができるのです。
運営の手間を省ける
会場型のセミナーでは、開催前日に会場設営をしたり、当日は受付、資料配布、セミナー終了後に会場撤去をしたりと、様々な運営作業が必要です。
運営をひとりで行うのは大変なので、最低でも2名はスタッフが欲しいところですよね。
しかし、ウェビナーであれば会場設営も不要なので、主催者ひとりで全ての準備を整えることができます。
ウェビナーは、運営の手間も省くことができますよ。
録画できる
ウェビナーツールの録画機能を使えば、簡単に録画することができます。
録画ができるということは、主催者が後から振り返ることもできますし、録画した動画を参加者に共有することもできます。
録画したウェビナー動画を、他の参加者にも配信する形式にすれば、主催者は1回のウェビナー開催だけで済むので、浮いた時間を他の活動に充てることができますね。
参加者も、聞き逃したところや、もう一度聞いて理解を深めたいところを録画で見返すことができます。
このように、ウェビナーは効率化・生産性向上、参加者の理解促進にも便利ですよ。
ウェビナーの種類
ウェビナーの配信方法には「ライブ配信」と「オンデマンド(録画)配信」の2種類あります。
- ライブ配信:主催者が開催するウェビナーを、参加者がリアルタイムで視聴する形式
- オンデマンド配信:主催者が先にセミナー動画を録画しておき、その録画動画を参加者が視聴する形式
また、配信場所を通常の「会場」にするか、ウェビナー配信専用の「スタジオ」にするかによって、出来ることが異なります。
- 会場配信:会社の会議室や、貸し会議室からウェビナーを配信する
- スタジオ配信:ウェビナー配信に特化したスタジオを利用して配信する
それぞれ詳しく解説して行きますね。
ライブ配信
ライブ配信は、主催者が開催しているウェビナーを、参加者がリアルタイムで視聴する形式です。
主催者と参加者が、互いにコミュニケーションを取りながら進めていくことができるので、活発な議論をしたいテーマに向いています。
また、リアルタイムでの開催は主催者と参加者の心の距離感も近づくため、信頼関係を築きたい場合にもおすすめですよ。
ただし、ライブ配信を行う場合は安定した通信環境が必要です。
参加者が多数の場合は、動画制作会社のスタッフを手配して会場に通信設備を設営してもらうか、専用スタジオから配信すると安心でしょう。
- メリット…参加者と相互にやりとり可能、信頼関係の構築ができる
- デメリット…通信環境が悪いと、中断してしまうリスクがある
- 開催事例:企業説明会、株主総会、社内イベント
オンデマンド配信型
オンデマンド配信型は、主催者が事前に録画したウェビナー動画を主催者に配信する形式です。
参加者が自身のペースで進めたい学習系コンテンツに向いています。
主催者は1度録画した動画を配信すれば良いので、拘束時間を抑えることもできますね。
オンデマンド配信型は参加者の反応が見えないので、視聴後にアンケートに回答してもらう等、参加者から別途フィードバックを得る仕組みが必要です。
- メリット…参加者が自分のペースで視聴できる、主催者の拘束時間を抑えられる
- デメリット…参加者の反応が見えづらい
- 開催事例:学習型コンテンツ、社内研修動画
会場からの配信
会場配信は、自社の会議室や、一般的な貸し会議室を使ってウェビナーを配信する方法です。
会場配信は、リアルの参加者とウェブ経由での参加者の両方を獲得することができます。
画面越しに参加者が見えると、盛況な様子も演出できますよね。
会場配信は、一度にたくさんの参加者を集められるというメリットがある一方、主催者がリアルの参加者とウェブ上の参加者の両方に気を配らなければならないため、話者の他にウェブ上の参加者を常時ケアする専任対応者がいた方が良いでしょう。
- メリット…リアルの参加者とウェブからの参加者を両方獲得でき、盛況を演出できる
- デメリット…リアルの参加者とウェブ上の参加者、両方を同時にケアする必要あり
- 開催事例:トークショー、カンファレンス、エンターテイメントイベント
スタジオからの配信
最近では都市部を中心に、ウェビナーを配信できるレンタルスタジオが増えています。
スタジオでは、高性能の機材を使えたり、専門スタッフが配信をサポートしたりしてくれるので、動画配信のノウハウがなくてもクオリティを担保したウェビナー配信ができます。
グリーンバックがあるスタジオでは動画の合成を行うこともできるので、例えばパワーポイントで制作したスライドの前に講師が立って解説するような演出や、ニュース番組風の本格的な演出も可能ですよ。
スタジオであれば通信環境もしっかり整っているので、大勢がリアルタイムで参加するウェビナーにもおすすめです。
スタジオによってサポート内容が異なるので、利用する前にホームページをよくチェックしてくださいね。
- メリット…機材レンタルやスタッフのサポートを活用できる、通信環境が整っている
- デメリット…スタジオによって設備やサポート内容が異なる
- 開催事例:討論番組、ニュース動画
自社に合ったウェビナーツールを選ぶポイント
これまで、様々な種類のウェビナーを紹介して来ました。
では、自社に合うウェビナーツールをどのように選んだら良いのでしょうか?
ポイントは5つあります。
- パソコンのスペックを確認する
- 欲しい機能を整理する
- 想定している参加者人数は?
- 料金とサポート内容のバランスをチェック
- 無料体験版を使ってみる
順番に解説していきますね。
パソコンのスペックを確認する
ウェビナーツールのほとんどは、WEB上でライセンス料を払って使うクラウド型のサービスです。
それぞれのウェビナーツールには推奨環境があるため、お使いパソコンが推奨スペックに合致するかどうかを確認する必要があります。
自分が所有しているパソコンのOSやスペックは把握しておきましょう。
欲しい機能を整理する
ウェビナーツールによって、備えている機能は異なります。
ライブ配信を基本とするツールもあれば、オンデマンド配信に特化したツールもあります。
まずは、利用したい機能を整理してみてください。
例えば、こんな機能がありますよ。
- ライブ配信
- 録画
- 資料共有(どんなファイル形式に対応しているか?)
- チャット
- アンケート取得・集計
- メール配信
- ホワイトボード
基本的に、利用できるオプション機能が増えるほど利用料金も上がるので、使いたい機能を事前に整理しておくことをお勧めします。
想定している参加者人数は?
ウェビナーツールの多くは、参加可能人数によって料金を分けています。
参加可能人数が多ければ多いほど、料金も上がります。
ツールによって異なりますが、100人までが相互にやりとり可能なメニューもあれば、配信のみ(相互のやりとり不可)で最大10000人までが参加可能なメニューもあります。
だいたいで良いので、何人くらいの参加者を想定しているのかを決めておくと、ツールの候補を絞り込むのに役立つでしょう。
料金とサポート内容のバランスをチェック
「なるべく安いツールを」という考えで選ぶのは、あまりお勧めしません。
基本的に、利用料金が安いツールほどサポートが薄い傾向があるからです。
もちろん、予算に見合ったツールを選ぶのは大切ですが、併せてサポート内容もチェックすることをお勧めします。
無料体験版を使ってみる
使い勝手の良さは、ホームページ上の情報だけではわからないものですよね。
ほとんどのウェビナーツールは、無料体験版を提供しています。
無料体験版は機能が最小限に抑えられていたり、期間が限定されていたりしますが、操作性を確かめるためにも、ウェビナーツールの候補を3つほど絞り込んだら、ぜひ無料体験版を使ってみてください。
オススメのウェビナーツール10選
ここからは、数あるウェビナーツールの中からおすすめを10社ご紹介します。
それぞれのツールの特徴もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
Zoom Webinar(ズームウェビナー)
画像引用:Zoom Webinar
WEB会議ツールの先駆者、ZOOM社が提供するウェビナーツール「Zoom Webinar」。
ZOOMのウェビナー版は「パネリスト(主催者)」が画面にしっかり大きく映るレイアウトになっています。
プランによって100人〜1000人まで参加可能です(追加オプションで増員も可能)。
YouTube Live、Facebook Live などのストリーミングサービスと連携しながらライブ配信ができる点も特徴ですよ。
V-CUBE セミナー(ブイキューブセミナー)
画像引用:V-CUBE セミナー
V-CUBEはウェビナーの開催をフルサポートする会社です。
丁寧なヒアリングに基づき、最適な配信ツール(V-CUBEセミナー、Qumu、ZOOMなど)を提案。
スライドや台本作成、テクニカルな配信サポートまで、年間5,000回以上の開催実績があるプロが徹底サポートします。
ウェビナー配信当日はスタッフ2~3名で現地対応。
お弁当やタクシーの手配まで、きめ細やかに対応してくれますよ。
配信後のデータを収集・分析して一緒に振り返りを行うなど、アフターフォローも万全です。
国内大企業からの受注実績が豊富なのも、うなずけますね。
東京と大阪に、ウェビナー配信スタジオも構えています。
Event Hub(イベントハブ)
画像引用:EventHub
イベントハブは、5000人〜10000人規模の会場型ビッグイベント・ライブ配信も難なく実現できるイベント管理ツールです。
オンラインイベントにも、オフラインイベントにも、その両方を実現するハイブリッドイベントにも使えます。
ライブ動画配信・アーカイブ配信ができるのはもちろんのこと、チケット販売、参加者管理、動画配信、アンケート等、オンラインイベントに必須な全ての機能を提供。
ウェビナー向けにもQRコードチェックイン機能、参加者同士のマッチング促進ツールなど、参加者と主催者の双方にとって成果につながる機能が充実しています。
大規模カンファレンスの開催にお勧めですよ。
Cisco Webex(シスコ ウェブエックス)
画像引用:Webex
世界最大のITネットワーク機器メーカー、Ciscoが提供するウェブ会議ツールです。
iPhone、iPad、Androidといったマルチデバイスに対応しており、メジャーなアプリ100 種類以上とも連携できる柔軟性が魅力ですね。
相互ホワイトボード機能や、文字起こし機能など、便利な機能も豊富です。
プランによって100人〜200人まで参加可能。
さらに多くの参加人数へカスタマイズできるエンタープライズプランあります。
LOGOSWARE GigaCast(ロゴスウェア ギガキャスト)
画像引用:LOGOSWARE GigaCast
ウェビナー開催に必要な機能が全て揃った、企業向けウェビナーツールです。
ウェビナーの開催前後に必要な作業も、GigaCastの中に全て揃っています(告知ページ作成、メール配信、参加者リスト作成、アンケート実施・集計)。
ライブ配信とオンデマンド配信の両方に対応しており、配信方法もメール招待型配信、オープン配信ができますよ。
会場セミナーで行っていた作業を、丸ごとWeb上で行うことができるイメージですね。
料金も手頃なので、大企業から中小企業まで、様々な企業に採用されています。
FreshVoice(フレッシュボイス)
画像引用:FreshVoice
堅牢なセキュリティに定評があり、省庁、金融機関、大学でも採用されている国産のWeb会議ツールです。
導入方法をASP(クラウド)型とオンプレミス(サーバー)型から選ぶことができ、最大250拠点までの同時接続が可能。
他のウェビナーツールでは難しい、24時間つなぎっぱなしでの運用も可能です。
日本全国、離島でも出張デモンストレーションを受け付けているので、操作性を手取り早く確認したい企業担当者の方にお勧めですよ。
WebinarNinja(ウェビナーニンジャ)
WebinarNinjaはオーストラリアのソフトフェア企業が提供するウェビナーツールです。
シンプルで直感的な操作画面で、ものの数分でおしゃれなウェビナー開催ページが出来上がります。
あとはワンクリックするだけでウェビナーの始まり。
メールを送信する機能もついていますよ。
プランによって、50人〜100人のライブ配信への参加が可能です。
ツールは全て英語表記なので、英語に抵抗がない方にお勧めします。
Cocripo(コクリポ)
画像引用:Cocripo
コクリポはウェビナー開催に特化した国産ツールです。
コクリポのウェビナーはURLをクリックするだけで参加することでき、参加者の顔出しがない安心設計となっているのが特徴ですよ。
ウェビナー参加者の入退場履歴やチャット履歴、アンケート結果などのデータ管理・分析も簡単。
無料オンライン説明会も開催しているので、ウェビナー活用の成功事例や、機能の詳細を知りたい方は、ぜひご参加ください。
Adobe Connect(アドビコネクト)
画像引用:Adobe Connect
Adobe社の会議ソフトウェアサービスです。
個別の打ち合わせ、バーチャル教室、大規模なウェビナーなど様々なWEB会議を実現できます。
電子メールによるプロモーション、参加者管理、キャンペーンの分析もできますよ。
特徴的なのは「仮想バックステージ」で、複数の主催者とプレゼンターが参加者から見えない方法で共同作業を行うことができます(出席者リスト、議題、ノート、プレゼンターのチャットなど)。
大規模なライブ型ウェビナーでも大活躍してくれるでしょう。
LiveOn(ライブオン)
画像引用:LiveOn
研修やセミナーなどを全国の拠点に配信できるWeb会議システムです。
多くのIT機器メーカーに採用されていますよ。
海外に拠点を含む大人数の参加であっても、ストレスのないクリアなコミュニケーションを実現します。
資料共有や録音録画、メディア再生機能といった研修に役立つ機能も標準搭載。
日本語のほかにも英語と中国語に対応しており、海外と拠点を多く持つグローバル企業に便利です。
集客とフォローは他ツールを併用するのがおすすめ
注意しておきたいのは、ほとんどのウェビナーツールには集客機能が無いという点です。
メール配信機能がついているツールも一部ありますが、社内向けでない限り、ウェビナー参加者を集めるには別途、集客作業が必要になります。
最も気軽で効率が良いのは、SNSを活用した集客でしょう。
InstagramやFacebook、Twitter、LINEなど、SNSでの有料集客は、今や個人でも気軽にできるようになりました。
ぜひ活用してみてください。
少人数制でのウェビナーを行いたい場合は、クラウドソーシングサイトで宣伝するのも手です。
また、開催後は参加者のフォローも丁寧に行いましょう。
「参加して終わり」では非常にもったいないので、ウェビナーに参加いただく際に個人情報をヒアリングし、アフターフォローに活用してください。
※個人情報の取り扱いには注意が必要です。アンケート取得時は、必ず個人情報取り扱いに関するレギュレーションを明記し、参加者から承諾を得る形式にしましょう。
おわりに:ウェビナーツールを活用しよう!
このページでは、おすすめのウェビナーツールを10社紹介してきました。
ウェビナーツールを選ぶ際は、5つのポイントをチェックしてくださいね。
- パソコンのスペックを確認する
- 欲しい機能を整理する
- 想定している参加者人数は?
- 料金とサポート内容のバランスをチェック
- 無料体験版を使ってみる
ウェビナーは、新型コロナウイルスの感染状況に影響を受けずに開催することができます。
時間や場所に縛られないウェビナーは、より多くのユーザーにアプローチすることも可能ですよ。
皆さんもこれを機に、ウェビナーを始めてみてはいかがでしょうか。
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